基本事項の決定(役員)について

役員等の欠格事由・資格等について

株式会社の取締役、監査役、会計参与、会計監査人を選任するにあたり、それぞれの欠格事由・資格等は以下となります。

 

 取締役の欠格事由等 

以下の者は、取締役になることができません。

① 法人

② 成年被後見人もしくは被保佐人等

③ 会社法等の法律に違反する罪を犯し、刑に処せられ、その執行が終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

④ 上記③以外の法令に違反する罪を犯し、禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わるまで、またはその執行を受けることがなくなるまでの者(執行猶予中の者は除く)

 

なお、非公開会社においては、取締役が「株主でなければならない旨」を定めることができます。

人数は、取締役会を設置する場合、3人以上いなけれればなりません。

 

 監査役の欠格事由等 

取締役と同じように以下の者は、監査役になることができません。

① 法人

② 成年被後見人もしくは被保佐人等

③ 会社法等の法律に違反する罪を犯し、刑に処せられ、その執行が終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

④ 上記③以外の法令に違反する罪を犯し、禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わるまで、またはその執行を受けることがなくなるまでの者(執行猶予中の者は除く)

 

また、取締役と同様に、非公開会社においては、監査役が「株主でなければならない旨」を定めることができます。

人数は、監査役会を設置する場合、3人以上必要で、そのうち半数以上は社外取締役でなければなりません。

その他に、自社もしくは子会社の取締役・支配人その他の使用人、または子会社の会計参与・執行役の兼任が禁止されています。

 

 会計参与の欠格事由等 

会計参与になるためには、以下の資格を有していなければなりません。

① 公認会計士

② 監査法人

③ 税理士

④ 税理士法人

 

そして以下の者は、会計参与になることができません。

① 自社またはその子会社の取締役、監査役もしくは執行役または支配人その他の使用人

② 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者

③ 税理士法43条の規定により同法2条2項に規定する税理士業務を行うことができない者

 

 会計監査人の欠格事由等 

会計監査人になるためには、以下の資格を有していなければなりません。

① 公認会計士

② 監査法人

 

そして以下の者は、会計参与になることができません。

① 公認会計士法の規定により、第435条2項に規定する計算書類について監査をすることができない者

② 子会社もしくはその取締役、会計参与、監査役もしくは執行役から公認会計士もしくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者またはその配偶者

③ 監査法人でその社員の半数以上が上記②に掲げる者であるもの

 

 

役員等の義務について

会社と役員等との関係は委任関係であり、委任に関する規定に従うことになります。

例えば、役員等には「善管注意義務」が課せられます。

 

また、取締役には「忠実義務」も課せられます。

さらに、取締役が、会社の事業と競業する取引をしようとするときや、会社の利益と相反する取引(利益相反取引)をしようとするときは、株主総会等の承認を受けなければなりません。

 

 

役員等の任期について

 

 取締役の任期 

原則2年です。

任期をさらに短縮することが可能です。

また、非公開会社においては、任期を10年まで伸長することもできます。

 

 監査役の任期 

原則4年です。

任期を短縮することはできません。

一方、非公開会社においては、任期を10年まで伸長することができます。

 

 会計参与の任期 

取締役の任期の定めと同じです。

 

 会計監査人の任期 

1年です。

短縮も伸長もできませんが、別段の決議がなされなければ再任されたものとみなされます。(要するに自動更新)

 

 任期の伸長について 

任期を長くするメリットは、役員変更・再任の手続き及び役員変更登記の手間・費用が少なくなることです。

一方、デメリットとしては、任期途中で役員に退任してもらいたいときに揉めてしまうと、強硬的に解任の手続きをとる必要があったり、場合によっては、解任した役員から残任期間の役員報酬相当額の損害賠償を請求される可能性があります。

 

 

代表取締役の選定について

取締役が複数いる場合、その中から代表取締役を選ぶことができます(取締役会設置会社の場合は必置)。なお、複数名選ぶこともできます。

 

※代表取締役を選ばなかった場合は、取締役全員が代表権を持ちます。(会社法では、取締役全員が代表権を持つ「各自代表」を原則に規定しています。)

 

 取締役会設置会社の場合 

取締役会の決議により、代表取締役を選定しなければなりません。

 

 取締役会を設置していない会社の場合 

以下の3つの方法により、代表取締役を定めることができます。

① 定款(定款に直接、誰が代表取締役であるかを記載する。)

② 取締役の互選

③ 株主総会の決議

 

 

合同会社の場合

合同会社では、社員(従業員のことではありません。持分を有する出資者のことです。)全員で、業務を執行するのが原則です。

社員の中から、一部の者のみを業務執行社員として選ぶことも可能で、また、業務執行社員の中から代表社員を定めることもできます。

任期の定めはありません。

 

株式会社と同様に、善管注意義務や忠実義務、及び、競業取引や利益相反取引の際には承認決議が必要となります。